王の行進. Морган Райс
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Название: 王の行進

Автор: Морган Райс

Издательство: Lukeman Literary Management Ltd

Жанр: Зарубежное фэнтези

Серия: 魔術師の環 第一巻

isbn: 9781632910721

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      「ソアに手を触れてはならん。」マッギルが言った。「さあ、二人にしておくれ。全員だ。家族もだ。」

      重い沈黙が室内に垂れ込めた。誰もが顔を見合わせ、明らかにどうしたら良いのかわからない、という風だった。ソアはその場に釘付けになって、起きたことすべてを整理できずにいた。

      王族を含め、他の者は皆、列を作って一人ひとり部屋から出て行った。クローンはリースに預けられた。先ほどまで人で埋め尽くされていた王の部屋は、急にがらんとなった。

      扉が閉められた。ソアと王だけが沈黙の中にいる。信じられなかった。マッギル王が青い顔をして痛みに苦しみ、横たわっている。そのことがソアを言葉に表わせないほど苦しめた。なぜかはわからないが、自分の一部までもがそのベッドで死にかけているような気がした。何よりも王に元気になって欲しかった。

      「ここへ来なさい。」マッギルが弱々しく言った。ささやく程度の、かれた声だった。

      ソアは頭を垂れ、すぐに王のもとに跪いた。王が力なく手首を差し出した。ソアはその手を取り、キスをした。

      ソアが見上げると、マッギルが弱々しく微笑んでいた。ソアの頬に熱い涙が伝い、自分でも驚いた。

      「陛下」ソアはもう自分の中に押しとどめておくことも出来ず、話し始めた。「どうか信じてください。私は毒を盛ったりなどしていません。自分でも知らない何らかの力によって、この計画を夢で知っただけなのです。陛下に警告したかっただけです。信じてください。お願いします。」

      マッギルが手を挙げたので、ソアは黙った。

      「そなたのことについては、私が間違っていた。」マッギルが言った。「別の誰かの手で刺されて初めてそなたではないとわかった。そなたはただ私を救おうとしてくれただけだ。許してくれ。そなたはずっと忠実であった。この宮廷で唯一の忠実な者かも知れぬ。」

      「私の思っていることが間違っていればとどんなに願ったことでしょう。陛下が無事でいて下さればと。夢がただの幻であって、暗殺など起こらなければと。でも、これは間違っているかも知れません。陛下は良くなられるかも知れないのですから。」

      マッギルは首を振った。

      「逝く時が来た。」ソアに向かって言った。

      ソアは息を呑んだ。そうであってくれるなと願いながらも、その時が来たと感じ取っていた。

      「陛下は誰がこのようなことをしたかご存知なのですか?」ソアは夢を見たときからずっと自分の中でくすぶっていたことを尋ねた。誰が、そしてなぜ、王を殺そうと思うのか想像もできなかった。

      マッギルは天井を見上げ、大儀そうに瞬きをした。

      「男の顔は見た。よく知っている顔だ。だが、どういう訳か、誰だか思い出せないのだ。」

      王はソアの方を向いた。

      「今となってはどうでもよい。もうその時が来た。犯人が彼であるにせよ、別の者にせよ、結果は同じだ。今大事なのは」マッギルが手を伸ばし、ソアの手首を驚くほどの力で握って言った。「私がいなくなったあとに起こることだ。王のいない国になる。」

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