Название: 王の行進
Автор: Морган Райс
Издательство: Lukeman Literary Management Ltd
Жанр: Зарубежное фэнтези
Серия: 魔術師の環 第一巻
isbn: 9781632910721
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ソアは室内に入って行った。壁のたいまつが音を立てている。床に横たわる死体のほうへ進んだ。それが王だということ、そして彼が殺されたのだということは既に感じ取っていた。自分が来るのが遅すぎたということも。衛兵たちは皆どこにいたのだろうと考えた。なぜ王を助ける者が誰もいなかったのか。
死体に近づくにつれ、ソアの膝は弱々しくなっていった。石の床に膝まづき、冷たくなった肩をつかみ、王の身体を仰向けに直した。
先の国王、マッギルだった。目を見開いたまま、死んでいる。
ソアが見上げると、付き人がそばに立っているのが目に入った。大きな、宝石をあしらった杯を手にしている。宴でソアが見つけたものだ。純金製でルビーとサファイヤの列に覆われている。ソアを見つめたまま、その付き人は王の胸にゆっくりと杯の中身を注いだ。ワインのしぶきがソアの顔に散った。
ソアは甲高い声を聞いた。振り向くと彼のハヤブサ、エストフェレスが王の肩に止まっていた。ソアの頬のワインをなめて拭った。
音がしたので振り返るとアルゴンが立っていた。厳しい面持ちで見下ろしている。手には輝く王冠が、もう片方の手には彼の杖があった。
アルゴンは歩み寄り、王冠をソアの頭にしっかりと載せた。ソアは王冠がきちんと頭に納まり、金属がこめかみを包むのを、その重さが沈み込むのを感じた。そして不思議そうにアルゴンを見た。
「今、そなたが王となった。」アルゴンが宣言する。
ソアは瞬きをした。そして目を開けると、リージョン、シルバー騎士団のメンバー全員、何百名もの男たち、少年たちが室内を埋め、彼のほうを向いていた。皆が一斉に膝まづき、顔を床に近づけんばかりにして彼に礼をした。
「我らが王」 一斉に声が上がった。
ソアは驚いて起き上がった。真っ直ぐに座り、息を荒くして周囲を見回した。暗く、湿った場所だった。壁に背中を付け、石の床に座っていることに気づいた。暗闇の中で目を細めると、遠くに鉄の柵と、その向こうには明滅するたいまつが見える。思い出した。牢獄だ。宴会の後、ここに連れてこられたのだった。
あの看守が彼の顔にパンチを食らわせたことを思い出し、気を失っていたに違いないと思った。どれくらいの間かはわからない。起き上がると、深く息をし、ソアは恐ろしい夢の記憶を払いのけようとした。あまりにも現実的だった。現実でないことを、王が亡くなってなどいないことを願った。死んだ王の姿が頭から離れなかった。ソアは何かを見たのだろうか?それともただの想像だろうか?
ソアは誰かが足の裏で自分を蹴っているのを感じ、見上げると目の前に立っている者がいた。
「そろそろ目を覚ましても良い頃かと思って。」声が聞こえた。「何時間も待っていたんだ。」
薄暗い光の中で、ソアは十代の少年の顔を見た。自分と同じぐらいの年頃だ。痩せて背が低く、頬はこけ、あばた顔だった。それでも緑色の目の奥には何かしら親切で知的なものが感じられる。
「僕はメレク。」彼は言った。「君の刑務所仲間だ。どうしてここに入れられたんだい?」
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